「貼付」は「ちょうふ」と読むのか、それとも「てんぷ」と読むのか。普段「てんぷ」と読んでいて、「間違いなのでは?」と気になった方もいるかもしれません。
「貼付」は「ちょうふ」を基本として読みますが、「てんぷ」も慣用読みとして認められています。そのため、一般語としての「貼付」を「てんぷ」と読んだことだけを理由に、一律に間違いと考える必要はありません。
ただし、「ちょうふ」と「てんぷ」は完全に同じ位置付けではありません。この記事では、2つの読みがどのように扱われているのか、「てんぷは間違いなのか」、実際に読むときはどちらを選べばよいのかを順番に整理します。
貼付の読み方は「ちょうふ」が基本、「てんぷ」も慣用読み
「貼付」には、「ちょうふ」と「てんぷ」という読みがあります。2つとも資料上で確認できる読みですが、位置付けは同じではありません。
文化庁の常用漢字表では、「貼」の音として「チョウ」が示され、その使用例として「貼付」が挙げられています。一方、備考には「貼付」は「テンプ」とも読むことが示されています。
また、国語辞典や漢字辞典でも、「てんぷ」は「ちょうふ」の慣用読みとして扱われています。まずは、「ちょうふ」が基本となる読みで、「てんぷ」は慣用読みと整理すると分かりやすいでしょう。
なお、「貼付」は、紙などをはりつけることを表す言葉です。この記事では意味の細かな使い分けではなく、読み方を中心に扱います。
「ちょうふ」は基本となる読み
「ちょうふ」は、「貼付」の基本となる読みとして押さえておくとよいでしょう。
文化庁の常用漢字表では、「貼」の音が「チョウ」とされ、例として「貼付」が示されています。国語辞典などでも「ちょうふ」をもとに「てんぷ」が慣用読みとして説明されているため、読み方に迷ったときの基準にしやすい読みです。
ただし、「ちょうふが唯一の正式な読み」とまで言い切るのは適切ではありません。常用漢字表にも「テンプとも」と示されており、実際に「てんぷ」という読みも認められているからです。
「てんぷ」は慣用読みとして使われている
「てんぷ」は、存在しない読みや、単純な読み間違いとしてだけ扱われているわけではありません。
文化庁の常用漢字表には、「貼付」は「テンプ」とも読むことが記載されています。また、デジタル大辞泉や精選版日本国語大辞典、漢字ペディアでは、「てんぷ」を「ちょうふ」の慣用読みとして扱っています。
つまり、「てんぷ」と読むこと自体には資料上の裏付けがあります。一方で、辞書では「ちょうふ」と完全に同じ位置付けではなく、「慣用読み」として区別されています。
「てんぷ」は間違い?一律に誤読とは言えない

結論として、「てんぷ」を現在一律に「間違い」「誤読」とするのは適切ではありません。
文化庁の常用漢字表に「テンプとも」と記載され、複数の辞書でも慣用読みとして掲載されているためです。
一方で、「ちょうふ」を基本となる読みとして整理することと、「てんぷ」を完全な間違いとすることは別の話です。ここを分けて考えると、「辞書に載っているのに、なぜ間違いと言われるのか」という疑問も整理しやすくなります。
| 読み | 位置付け | 資料上の扱い | 迷った場合の考え方 |
|---|---|---|---|
| ちょうふ | 基本となる読み | 常用漢字表で「貼=チョウ」、例として「貼付」 | 迷う場合はこちらを基本にする |
| てんぷ | 慣用読み | 常用漢字表で「テンプとも」、複数辞書でも慣用読み | 一律に誤読とは考えない |
慣用読みは「単なる間違い」と同じ意味ではない
「慣用読み」と聞くと、「本当は間違っている読みが広まっただけ」と受け取ることがあるかもしれません。しかし、「慣用読み」という言葉そのものを「誤読」と同じ意味で扱うのは正確ではありません。
辞書では、慣用読みは慣用音を用いた読み方として説明されています。慣用音は、呉音・漢音・唐音のいずれにも当てはまらないものの、日本で広く使われている漢字音を指します。
そのため、「てんぷは慣用読みである」という説明から、そのまま「てんぷは使用してはいけない誤読である」と結論づけることはできません。
ただし、これは「慣用読みなら、どの言葉でも基本の読みと完全に同じ扱いになる」という意味でもありません。「貼付」については、「ちょうふ」が基本となる読みで、「てんぷ」は慣用読みとして区別して理解するのが適切です。
「ちょうふ」と「てんぷ」は完全に同じ位置付けではない
「ちょうふ」と「てんぷ」は、どちらも「貼付」の読みとして確認できますが、完全に同列ではありません。
常用漢字表では「貼」の音として「チョウ」が示され、「貼付」がその例になっています。一方、「テンプ」は備考として「とも」と記載されています。辞書でも「てんぷ」は「ちょうふ」の慣用読みとされています。
したがって、「どちらも読みとして使われている」という点では共通しますが、位置付けまで同じと考えない方が分かりやすいでしょう。
貼付を実際に読むときはどう判断する?

一般語として「貼付」を読むときに迷った場合は、「ちょうふ」を基本にすると判断しやすくなります。
一方、これまで「てんぷ」と読んでいたとしても、慣用読みとして資料に掲載されているため、それだけで「完全な読み間違いだった」と考える必要はありません。
重要なのは、「ちょうふ」と「てんぷ」の位置付けを理解したうえで、場面に応じて判断することです。
迷う場合は「ちょうふ」を基本にする
特別な読み方の指定がない一般的な場面なら、「ちょうふ」を基本としておけば迷いにくいでしょう。
常用漢字表の「貼」の音は「チョウ」で、辞書でも「てんぷ」は「ちょうふ」の慣用読みとして扱われています。そのため、「どちらを選べばよいか分からない」というときは「ちょうふ」を基準にできます。
ただし、「てんぷ」を聞いたり、自分でそう読んだりした場合に、「完全な誤読だ」と考える必要はありません。2つの読みを「正解と不正解」の単純な二択にしないことがポイントです。
特定の読み方ルールがある場合はその基準を確認する
放送、出版、社内文書などで、所属する組織や媒体の独自ルールに従う必要がある場合は、その基準を確認してください。
この記事で整理しているのは、一般語としての「貼付」の読み方です。特定の組織で「どちらの読みを使うか」が決められている場合には、その組織の公式な用語基準を確認してください。
一方、そうした個別ルールがない一般的な場面であれば、この記事で整理した「ちょうふを基本、てんぷは慣用読み」という考え方で判断できます。
「貼付」と「添付」は別の言葉
「貼付」と「添付」は、どちらも「付」という字を含み、どちらにも「てんぷ」という読みが出てきますが、同じ言葉ではありません。
「貼付」は、紙などをはりつけることを表します。一方、「添付」は、書類などに補うものを付け加えることを表す言葉です。
今回重要なのは、「添付」が「てんぷ」と読むからといって、「貼付」の「てんぷ」という読みを同じ語として扱わないことです。
また、「貼付」を「てんぷ」と読むようになった理由が「添付との混同にある」とする説明については、今回確認した資料だけでは原因を確定できません。そのため、読みの由来としては断定しません。
まとめ|貼付は「ちょうふ」が基本、「てんぷ」も慣用読み
「貼付」の読み方は、「ちょうふ」を基本として押さえておくと分かりやすくなります。
- 「ちょうふ」は基本となる読み
- 「てんぷ」も慣用読みとして資料上認められている
- 「てんぷ」を一律に間違い・誤読とは言えない
- 「ちょうふ」と「てんぷ」は完全に同じ位置付けではない
- 迷う場合は「ちょうふ」を基本にする
一般語として読むのであれば、この整理で判断できます。特定の組織や媒体に独自の読み方ルールがある場合だけ、その基準を確認するとよいでしょう。
