ご飯を炊くとき、「はじめちょろちょろ中ぱっぱ」って聞いたことありますか?
どこか懐かしくてリズミカルなこの言葉。実は、昔ながらのご飯の炊き方を表すとっても理にかなったことわざなんです。
本記事では、このことわざの意味や背景、現代でも使える炊飯のコツを、やさしい口調で初心者にもわかりやすくご紹介します。
土鍋や炊飯器でご飯をもっと美味しく炊きたい方、赤ちゃん向けのやわらかご飯を作りたい方にも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください♪
はじめちょろちょろ中ぱっぱとは?

「はじめちょろちょろ中ぱっぱ」という言葉、聞いたことはありますか?
これは昔から伝わる、美味しいご飯を炊くときの火加減のコツを表した、知恵のつまったことわざなんです。
- はじめちょろちょろ:最初は弱火でじっくりとお米に水分をしみこませる段階
- 中ぱっぱ:中火〜強火で勢いよく沸騰させて、一気に炊き上げる仕上げの工程
この言葉は、炊飯時の火加減をリズムよく伝えてくれる便利なフレーズ。語感も可愛らしく、リズミカルなので、おばあちゃんやお母さんたちが子どもや孫に教えるときによく使われていました。
また、地方によっては「ごうごう」や「しゅうしゅう」などの語尾がつくバリエーションもあり、地域ごとの文化や風習も感じられます。古くからの生活の知恵が、ことばとなって今も残っているのは素敵ですよね。
ことわざに隠された炊飯の知恵とは?
このことわざの背景には、昔の「かまど」での炊飯が深く関係しています。
ガスも電気もない時代、人々は薪を使って火を起こし、その火の強さを目で見たり、鍋の中の音を聞いたりしながら調理をしていました。
たとえば、「ちょろちょろ」と静かに炊いている時の音、「ぱっぱ」と湯気が勢いよく立ち上がる様子。
それを五感で感じ取りながら、美味しいご飯を炊きあげていたんです。
このことわざは、そんな五感を最大限に使った炊飯の知恵をリズムと言葉にまとめたもの。
忙しい現代では忘れがちですが、昔の人の感覚的な調理法には理にかなったコツがたくさんあるんですね。
さらに、最近ではキャンプやアウトドアなどで土鍋や羽釜を使う方も増えているので、この「ちょろちょろ」「ぱっぱ」の考え方が見直されてきています。
ご飯を炊く時間が、より丁寧で楽しいものになるかもしれませんね。
現代でも通用する!美味しいご飯の炊き方

最近はほとんどのご家庭で炊飯器を使っていると思いますが、実は少しの工夫で「はじめちょろちょろ中ぱっぱ」の火加減を意識した炊き方を取り入れることができるんです。
この昔ながらの知恵を現代の道具に応用することで、ふっくらとしたお米の炊きあがりや、自然な甘み、艶のある美しい仕上がりを目指せます。
例えば、次のようなポイントがあります:
- お米はやさしく研ぎましょう。力を入れすぎず、手早く数回研いだら水を替えて、にごりがある程度取れるまで繰り返します。
- 研いだあとはすぐに炊かず、30分〜1時間ほど吸水させるのが大切です。このひと手間で炊きあがりの食感がぐっと変わります。
- 炊飯器の「早炊きモード」は便利ですが、お米本来の味や香りを引き出すには、できるだけ「通常モード」や「ふつう」設定を使いましょう。
- 炊き上がったあとは、ふたを開けずに10〜15分しっかり蒸らすこと。蒸らすことで、全体の水分が均一になり、粒が立ったご飯になります。
- 蒸らし後にしゃもじで十字に切り、底からふんわり混ぜると、余分な水分が逃げてより美味しく仕上がります。
これらのポイントを意識するだけで、いつもの炊飯器でも、まるで土鍋で炊いたようなふっくら甘いご飯に仕上がりますよ♪
ぜひ毎日のご飯炊きに、「ちょろちょろ」「ぱっぱ」のリズムを思い出してみてくださいね。
土鍋や羽釜ならもっとおいしく!
最近は土鍋炊飯も人気ですよね。
土鍋や羽釜での炊飯は、火加減を自分の手で調整できるのが最大の魅力です。
「はじめちょろちょろ中ぱっぱ」の言葉通り、炊き始めのやさしい火加減から、途中の勢いのある加熱、そして仕上げの蒸らしまで、まさにリズムを感じながら炊くことができます。
基本の火加減ステップは以下の通り:
- 最初の5分:弱火(ちょろちょろ)…お米にしっかり水を吸わせる時間です。
- 中盤の10分:強火(ぱっぱ)…しっかり沸騰させてお米に熱を通します。
- 最後の10分:火を止めて蒸らす…ふたを開けずに余熱でじっくり味をなじませます。
さらに、土鍋炊きならではの魅力として挙げられるのが、なんといってもおこげです。
炊飯器ではなかなか出せない、香ばしくカリッとしたおこげが自然にできあがります。
このおこげの香りと風味は、どこか懐かしくて特別感のある味わい。
また、炊きたてご飯の湯気や香りもより豊かに感じられるのも、土鍋ならではの楽しみのひとつです。
最近では、ガスコンロに対応した小型の土鍋や、IH対応の羽釜型鍋なども販売されており、初心者でも扱いやすくなっています。
少し手間はかかりますが、炊く時間そのものを楽しむ気持ちで試してみるのもおすすめですよ♪
よくある疑問Q&A

Q. はじめちょろちょろって今でも意味あるの?
→ はい。火加減のリズムを意識することで、ご飯の甘みや食感がぐんとよくなります。
Q. ご飯がべちゃべちゃになっちゃう…
→ 吸水が足りなかったり、水の量が多すぎたりすることが原因かもしれません。計量カップを使って正確に測りましょう。
Q. 芯が残ってしまった!
→ 火加減が弱すぎた、または加熱時間が短かった可能性があります。蒸らしも忘れずに行うことが大切です。
どんな方法で炊くにしても、ご飯を美味しく炊くにはちょっとした工夫と観察がポイント。
「はじめちょろちょろ」のリズムを、ぜひ土鍋や羽釜でも楽しんでみてくださいね。
赤ちゃんのごはんにも使える知恵

「やさしい火加減」で炊いたご飯は、赤ちゃんにもぴったりです。
まだ歯や消化器官が未熟な赤ちゃんにとって、ご飯のやわらかさや水分量はとても大切なポイント。
昔ながらの炊き方は、そうした赤ちゃんの体にやさしいご飯を作るのにも向いています。
- しっかり吸水させてから炊くことで、お米がしっとりと柔らかく仕上がり、のど越しもよくなります。
- 炊き上がったあと、10分ほど蒸らしてから少量のぬるま湯を加え、やさしく潰すことで、離乳食初期にも使えるなめらかなおかゆに早変わり。
- 中期以降は、水加減を調整して少し粒感を残すと、噛む練習にもつながります。
さらに、素材にこだわったお米や、おかゆ用にブレンドされた雑穀を加えることで、栄養バランスを整えることもできますよ。
忙しい日でも、冷凍保存できるように小分けにしておけば、いつでも安心して与えることができて便利です。
こうして、昔の知恵を応用することで、赤ちゃんにやさしいごはんを手軽に準備できるのは嬉しいですね。
さらに美味しくなる!ひと工夫
- 炊く前に昆布を1枚入れると、天然の旨みが加わり、やさしい風味に仕上がります(赤ちゃんにもOK)
- 酒をほんの少し加えると、炊きあがりにツヤが出て、香りもほんのり引き立ちます(大人用ご飯向け)
- 蒸らし中にふたを開けない!というのが、ご飯をふっくら仕上げる鉄則です。
こうしたちょっとした工夫が、毎日のご飯をぐんと美味しくしてくれます。
昔と今の炊飯、どう違う?

昔の炊飯は、薪や炭を使ってかまどで炊くのが主流でした。
火加減は視覚や聴覚、においなどの五感を使って調整していたため、炊き上がるまで気を抜けませんでした。
火が強すぎると吹きこぼれてしまうし、弱すぎると芯が残る。
炊く人の経験と感覚が味に直結していた、とても“手間ひま”のかかる調理方法だったのです。
一方、現代の炊飯器はスイッチ一つでOK。
時間予約も保温もできて便利ですが、実は「お米を美味しく炊く」という点では、昔ながらの手法に学べる部分も多いのです。
昔:火加減を五感で判断 → 大変だけど達成感あり、味わい深い
今:炊飯器が自動で制御 → 手軽で便利、でも出来栄えに差が出ることも
炊飯器でも、水加減・浸水・蒸らしなどの工程を意識することで、格段においしいご飯になります。
ちょっとした昔の知恵を現代の道具に取り入れるだけで、ご飯の風味や食感は驚くほど向上するんですよ。
子どもと一緒に楽しもう
ご飯を炊く時間を、親子でのコミュニケーションに変えてみませんか?
「はじめちょろちょろ〜♪」と一緒に口ずさみながら炊飯の流れを説明すると、
子どもたちも楽しみながら食べ物の大切さや料理への興味を自然に身につけることができます。
実際に絵本や小学校の生活科の授業でも、このことわざが紹介されていることもあります。
昔の知恵に触れることで、日本語の美しさやリズムの面白さにも気づくきっかけになるでしょう。
一緒に計量したり、水の音を聞いたり、「炊ける匂いっていいね」と感じ合うだけでも、親子の思い出になります。
お米を研ぐ手の感触や、ふたを開けたときの湯気の感動。
そうした体験は、きっと記憶に残る宝物になるはずです。
まとめ|ことわざの知恵を、今日の食卓に
「はじめちょろちょろ中ぱっぱ」は、ただの古くさい言葉ではなく、ご飯をおいしく炊くための“理にかなった知恵”。
- 美味しく炊くための先人の工夫が詰まっている
- 暮らしの中で育まれた調理のリズムや感覚
- 親から子へ、言葉として受け継がれる家庭文化
このことわざを意識して炊いてみると、ご飯の味が変わるだけでなく、日々の食卓への向き合い方も少し優しく、豊かになるかもしれません。
ぜひ、次にご飯を炊くときは「ちょろちょろ〜ぱっぱ〜♪」と小さく口ずさみながら、炊飯時間を楽しんでみてくださいね。

