水彩絵の具のシミを見ると「これ、落ちるのかな……」と不安になりますよね。特にお気に入りの洋服や、子どもが大切にしているお洋服についてしまった場合は、焦ってしまう方も多いのではないでしょうか。でも、ご安心ください。実は、水彩絵の具のシミは、正しい方法を知っていれば意外とすっきりキレイに落とせるんです。
まずは水彩絵の具そのものの性質を知って、焦らず落ち着いて対処することが大切です。この章では、シミになる理由や、落ちやすさの条件、放置するとどうなってしまうかなどを、わかりやすくご紹介していきますね。
水彩絵の具の性質とシミになりやすい理由

水彩絵の具は、その名の通り「水で溶ける」性質を持っています。そのため、乾いていない状態であれば、比較的簡単に落とせるというメリットがあります。しかし一方で、紙や布の繊維に染み込んだ状態で放置してしまうと、染料が繊維に定着してしまい、時間が経つほどに落としにくくなるのです。
また、特に薄手の生地や白い衣類は、絵の具の色が沈着しやすく、少しの絵の具でも目立ってしまうことも。だからこそ、早めに対応することが大切なんですね。
「乾く前」と「乾いた後」で落とし方は変わる
絵の具がついてすぐであれば、水でサッと流す、もしくはタオルなどでたたくように拭くだけで、ある程度落とせることが多いです。これは水彩絵の具がまだ液体で、繊維の奥まで染み込んでいないから。
一方で、時間が経って乾いてしまったシミは、水だけではなかなか落ちてくれません。乾燥により色素が繊維に絡みつき、洗剤などの力を借りないと落とせない状態になってしまうのです。ですから、できるだけ早く処置するのがポイントです。
シミを放置するとどうなる?色素定着と変色のリスク
「ちょっとだから大丈夫かな」とそのままにしておくと、あとで後悔してしまうかもしれません。乾いた水彩絵の具は、時間の経過とともに色素が繊維にしっかり定着してしまいます。そうなると、普通に洗濯機で洗ってもビクともしない頑固なシミに……。
さらに、色によっては時間が経つことで変色し、シミの範囲が広がったように見えることもあります。衣類の素材によっては、絵の具の化学成分と反応して色味がくすんでしまう場合もあるので要注意です。
だからこそ「気づいたらすぐ対処!」が、水彩絵の具のシミ落としの鉄則。お子さんの創作活動を応援するためにも、安心して対応できる知識をここで身につけておきましょう。
服についた水彩絵の具シミの応急処置

お子さんの創作の途中で「あっ、服についちゃった!」というシーン、よくありますよね。そんなときは焦らず、まずはできる範囲で応急処置をすることが大切です。ここでは、時間との勝負とも言える“ついた直後”の対応方法をご紹介します。
まずは水でたたく!ついた直後の対処ステップ
乾く前なら、すぐに行動するのが何よりも重要。水で濡らした布やティッシュを用意して、軽くトントンとたたきましょう。こすってしまうと絵の具が繊維の奥に入り込み、かえって落としにくくなってしまうためNGです。広がらないようにシミの外側から中心に向かってたたくのもコツですよ。
このとき使う布は白または色落ちしない素材が理想です。色付きのタオルを使うと、色移りする可能性があるので要注意です。
ティッシュ・タオルで吸い取るコツ
シミを水でたたいて浮かせたら、次に乾いたティッシュやタオルで押さえて絵の具を吸い取りましょう。叩いたり押さえたりを交互に繰り返すと、より効果的です。
この工程では「こすらず、押さえる」が鉄則。特に柔らかい素材の服は繊維が傷みやすいので、摩擦を避けて優しく対応してください。吸水性の高いキッチンペーパーもおすすめですよ。
外出先でもできる!簡易シミ抜きテクニック
もし外出中で十分な道具がない場合でも、応急処置は可能です。たとえば、ハンカチやおしぼり、ウェットティッシュなどを活用しましょう。軽く湿らせたハンカチでトントンとたたくだけでも、後のシミ落としがグッと楽になります。
最近では、携帯用のシミ取りシートやスプレータイプの応急処置グッズも市販されているので、カバンに一つ入れておくと安心ですね。外でのお絵描きや、習い事のあとにも大活躍します。
このように、絵の具のシミは「時間との勝負」。しっかり乾いてしまう前に、できる範囲でやさしく対応することで、後の洗濯がとてもスムーズになりますよ。
自宅でできる!水彩絵の具のシミを落とす洗濯テクニック

おうちにあるアイテムで、手軽にできるお洗濯テクニックをご紹介します。絵の具汚れは、正しくアプローチすればご家庭でもしっかり落とすことができますよ。
家庭用中性洗剤を使った正しい洗い方
シミがついた部分に中性洗剤を直接塗布します。液体タイプの中性洗剤がおすすめです。洗剤をなじませたら、ぬるま湯を用意して指の腹でやさしくもみ洗いします。このとき、泡立てるように円を描きながら洗うと、繊維の中まで洗剤が届きやすくなります。
また、洗剤をつけたあとに5〜10分ほど放置すると、汚れが浮いてきやすくなります。焦らず、優しく、繰り返しゆっくりもみ洗いするのが成功のポイントです。洗い終えたら、流水でしっかりすすいでください。
ぬるま湯×もみ洗いで繊維の奥から落とす
水では落ちにくい汚れも、30〜40℃のぬるま湯を使うと落としやすくなります。ただし、熱すぎると逆に絵の具が繊維に定着してしまう可能性があるので注意しましょう。
ぬるま湯に服を浸しながらもみ洗いするのもおすすめです。お湯と洗剤の相乗効果で、より汚れが落ちやすくなります。特に分厚い生地や繊維の奥まで染み込んでしまった場合に有効な方法です。
頑固なシミには漂白剤も活用!注意点と手順
もしも通常の洗い方で落ちにくい場合は、酸素系漂白剤の出番です。特に白いTシャツやハンカチなどには効果的です。
まず、ぬるま湯に酸素系漂白剤を適量溶かし、衣類を30分ほど浸け置きします。その後、再度中性洗剤でやさしく洗いましょう。なお、漂白剤は色柄物に使うと色落ちする可能性があるため、目立たない部分で試してから使用するのが安全です。
また、塩素系漂白剤は素材によっては生地を傷めてしまうため、水彩絵の具の汚れには酸素系の方が安心して使えます。
ナチュラル洗剤(重曹・クエン酸)の活用法
市販の洗剤を使いたくない方や、肌が敏感な方には、重曹やクエン酸を使ったナチュラルな方法もおすすめです。
たとえば重曹を少量の水でペースト状にし、シミ部分に塗って数分放置。その後、やさしくもみ洗いすることで、軽い汚れであれば落とせることがあります。クエン酸水(クエン酸を水に溶かしたもの)をスプレーしてから洗剤を使うと、汚れが緩みやすくなることも。
ただし、重曹・クエン酸の洗浄力は市販の洗剤ほど強くないため、あくまで「軽度の汚れ」や「自然派志向の方」に向いています。
【時間が経過した】乾いたシミを落とすコツ

時間が経ってカピカピに乾いてしまった水彩絵の具のシミは、「もうダメかも…」と思ってしまいがち。でも、まだ諦めるのは早いですよ。ここでは、乾いたシミにアプローチする具体的な手順や、知っておくと便利な裏技をご紹介します。ポイントは、“いきなりこすらないこと”と“段階的に柔らかくしていくこと”。では、順を追って見ていきましょう。
まずはシミを柔らかくする“前処理”がカギ
まずやるべきは、固まってしまった絵の具をふやかす工程です。ぬるま湯(30〜40℃ほど)に汚れた部分を10〜15分ほど浸けて、絵の具を繊維から浮かせていきます。ここで焦ってこすってしまうと、繊維の奥へと汚れが押し込まれてしまうのでNG。あくまでも“ふやかす”がテーマです。
場合によっては、ぬるま湯に中性洗剤を少量加えて浸け置きしてもOK。より効率的に絵の具の色素がほぐれていきます。前処理がしっかりできるかどうかで、後の洗浄結果が大きく変わるので、丁寧に行いましょう。
酸素系漂白剤の使い方と注意点
前処理をしても落ちないときは、酸素系漂白剤の出番です。酸素系漂白剤は比較的素材にやさしく、色柄物にも使えるものが多いため、家庭でのシミ取りに向いています。40℃程度のぬるま湯に適量を溶かし、15〜30分ほど浸け置きすると、固まった絵の具がゆっくりと分解されていきます。
ただし、使用前には必ず商品の使用方法と注意事項を読み、対応素材や時間を守るようにしてください。目立たない場所でテストしてから使うと安心です。
繰り返し洗っても取れないときの裏技とは?
「何度洗っても落ちない…」そんな時には、洗剤と漂白剤を“ダブルで使う重ね塗りテクニック”がおすすめです。まず、汚れた部分に液体洗剤を塗り、上から酸素系漂白剤(粉末タイプがベター)をふりかけます。
それを少し泡立てるようにもみ込んだら、15〜30分程度そのまま置いておきましょう。この方法は、頑固に定着した汚れに対して効果的で、洗剤と漂白剤の力を最大限に引き出します。その後、しっかりすすぎ洗いをしてくださいね。
白い服とカラー服で対応が違うので要注意
漂白剤は万能に見えて、実は衣類の素材や色によって扱いが変わってきます。白い衣類であれば比較的安心して使えますが、カラー服やデリケート素材の衣類に使用すると、色落ちや変色の原因になることも。
そのため、パッケージの使用可能素材や注意書きをよく読んでから使うのが鉄則です。心配な場合は「色柄物OK」と明記されている酸素系漂白剤を選び、使用前に目立たない部分でテストをしておくと安心です。
このように、乾いた水彩絵の具のシミも、手順を守って丁寧に対処すれば、落とせる可能性は十分あります。諦める前に、段階的なケアでチャレンジしてみてくださいね。
やってはいけない!シミ落としのNG行動

うっかりやってしまいがちなNG行動ですが、逆にシミを悪化させてしまう原因にもなります。ここでは避けたい3つのポイントを、理由も含めて丁寧にご紹介します。
熱湯NG!高温で絵の具が定着する理由
「熱いお湯の方が汚れがよく落ちる」と思って、つい熱湯を使いたくなってしまうかもしれませんが、水彩絵の具の場合はNGです。熱湯を使うと、絵の具に含まれる顔料やバインダーが繊維に強く定着してしまい、かえってシミが取れにくくなるんです。
特にポリエステルや化学繊維は熱に反応しやすいため、温度が高いと色素が繊維の奥に入り込み、通常の洗剤でも落ちなくなることがあります。ぬるま湯(30〜40℃)を使うのが基本で、熱すぎない温度でやさしく処理することが大切です。
ゴシゴシこするのは逆効果!摩擦で繊維が傷む
「落ちないからもっと強く!」と力を入れてこすってしまうと、絵の具が広がったり、繊維が傷ついたりして逆効果に。特に柔らかい素材の衣類や、繊細な織りのものは摩擦に弱く、毛羽立ちやヨレ、色ムラなどのダメージにつながります。
また、こすることで絵の具の粒子が繊維の奥に押し込まれてしまい、かえって落ちづらくなる場合もあります。基本は“たたくように”“押さえるように”やさしく扱うのがベストです。
洗剤の原液を直接つけると色落ちする素材も
「洗剤の力を信じて、原液をそのままシミに塗ったら……色が抜けた!」なんてことも。洗剤の原液は汚れに対しては強力ですが、衣類の素材によっては色落ちや脱色の原因になることがあります。
特にデリケートな素材や、濃い色の服、プリントが施されたTシャツなどは注意が必要。安全のためには、中性洗剤をぬるま湯で薄めて使う、または目立たない部分でテストしてから使用するのが安心です。少し手間はかかりますが、大切な衣類を守るためには大切なステップですよ。
このように、「早く落としたい!」という気持ちが強すぎてやってしまいがちな行動が、逆にシミをひどくしてしまうことも。落ち着いて、やさしく、素材と汚れに合わせた対処をしていきましょう。
素材別・絵の具汚れの落ちやすさと洗い方一覧

水彩絵の具のシミは、衣類の素材によって落としやすさが大きく異なります。繊維の構造や吸水性、表面の滑らかさなどによって、染み込み具合や洗剤との相性が変わってくるため、素材ごとに適切な対応を知っておくと安心です。
綿・ポリエステル・ナイロン・ウールの違い
綿(コットン)は天然繊維で水をよく吸うため、水彩絵の具も染み込みやすいですが、比較的落としやすい素材です。中性洗剤でのもみ洗いや漂白剤も使いやすく、お子さんの服によく使われるため、対処しやすいのが特徴です。
ポリエステルは化学繊維で、水を弾きやすいように思われがちですが、細かい繊維構造のためシミが繊維の奥に入り込みやすく、実は厄介な素材。一度絵の具が染み込むと落としづらく、前処理や浸け置きが重要になります。高温にも強いですが、漂白剤の使用は注意が必要です。
ナイロンはツルツルとした質感ですが、染料が定着しやすい面もあり、扱いには慎重さが求められます。熱や摩擦に弱く、洗剤の刺激が強すぎると傷むことも。優しく手洗いし、基本的にはクリーニング店に相談するのが安全です。
ウールはふんわりとした繊維で、水にも弱く、変形・縮みやすい素材。家庭での水洗いには向かず、絵の具のシミがついた場合は早めにクリーニング店へ持ち込むのがおすすめです。下手に手を出すと、生地が傷んでしまう恐れも。
漂白剤が使える素材・NGな素材とは?
絵の具のシミを落とす際に心強いのが漂白剤ですが、使える素材と使えない素材を見極めることがとても大切です。
白い綿素材や、化学繊維で色落ちの心配がない場合は、酸素系漂白剤を使っても大丈夫なことが多いです。ただし、使用前には必ず素材表示を確認し、目立たない場所でテストしてから使うのが安心です。
ウール・シルクなどの動物性天然繊維には、漂白剤は基本的にNG。生地が傷んだり、風合いが損なわれたりする可能性が高いため、専門のクリーニングに任せるのが最善です。
また、色柄物全般には注意が必要です。色落ちや色あせのリスクがあるため、「色柄物にも使える」と表示された酸素系漂白剤を使い、短時間で様子を見ながら使用するのがコツです。
素材の違いを知っておくと、衣類を無理に傷めず、安心してシミ抜きに取り組めます。
子どもの創作活動で汚れる前に!家庭でできる予防法

絵の具遊びや工作など、子どもの創造力を育む活動はとても素敵ですが、服の汚れが気になるというのも正直なところですよね。できることなら、事前に少し工夫をすることで「汚れても大丈夫」という心の余裕を持てるようにしておきましょう。
スモックやエプロンで服を守る
市販されているスモックやエプロンには、かわいらしいキャラクターや動物のデザインなど、子どもが喜ぶ柄がたくさんあります。お気に入りの柄を選ばせてあげると、自分から進んで着てくれるようになりますよ。
袖付きのロングタイプや、首元・手首にゴムが入っているタイプなど、しっかり覆えるものを選ぶのがポイントです。撥水加工のある素材であれば、さらに安心ですね。また、園や家庭で使い分けできるように2枚以上用意しておくと便利です。
あらかじめ防水スプレーで汚れブロック
活動前に服に防水スプレーをシュッとひと吹きしておくだけで、絵の具が生地に染み込みにくくなります。防水・防汚スプレーは100円ショップやドラッグストアでも手軽に購入でき、無香料タイプや子ども用にやさしい成分のものもあるので安心です。
特に、袖や胸まわり、裾のあたりなど汚れやすい部分を中心にスプレーしておくと、洗濯時に汚れがスルッと落ちやすくなる効果も期待できます。
汚れやすい日は「着替え前提」の服選びを
絵の具遊びや制作活動が予定されている日は、最初から「汚れてもいい服」を選んでおくのも賢い方法です。たとえば、ワンサイズ前のTシャツや少し色あせたズボンなど、惜しみなく使える服を“作業用”として用意しておくと、親も気楽に過ごせます。
また、脱ぎ着しやすい服や、洗濯に強い素材の服を選んでおくことで、お手入れの負担も軽減されます。活動後すぐに着替えられるように、替えの服を事前に用意しておくとスムーズですよ。
このような“ひと工夫”があると、親子どちらも余計なストレスを感じず、自由な創作時間を楽しめるようになります。
保育園・学校で絵の具がついたときの対応マナー

園や学校でお子さんが絵の具を使って制作をしたあと、服にシミがついて返ってくることってありますよね。親としてはちょっぴり心配になってしまう場面。でも、そんな時こそ落ち着いて丁寧に対応することで、周囲との関係も円滑に保つことができます。ここでは、先生や他の保護者とのやりとりで気をつけたいマナーをご紹介します。
先生から服が返却されたときのチェックポイント
まず、持ち帰った服を見て「どのくらい汚れているか」「絵の具の種類は何か」などを確認しましょう。服が濡れている場合は、絵の具がまだ乾いていない可能性もあるので、帰宅後すぐに袋から出して確認するのがおすすめです。
特に白い服や制服などは、シミが目立ちやすいので注意が必要。園からの連絡帳やメモなどで「〇〇の活動で汚れました」と書かれている場合は、先生が気づいてくれているサインです。あらかじめ「ありがとうございます、お気遣いなく〜」と伝えるだけでも印象が良くなります。
保護者同士のトラブルを防ぐ伝え方
お友だちの服にうっかり絵の具が飛んでしまったときなど、気を遣う場面もあるかもしれません。そんな時は、硬くならずに「うちの子もよく汚すんです〜」と笑顔でやんわり伝えるのがベスト。
たとえば、「さっきの制作、すごく楽しそうでしたね。ちょっと汚れちゃったみたいでごめんなさいね」と一言添えるだけで、相手も構えずに受け止めてくれるものです。大げさに謝ったり、逆に気にしないそぶりを見せすぎるのも避けましょう。
また、SNSなどにアップする際は他のお子さんの顔や服が映り込んでいないかを確認し、配慮ある行動を心がけると安心です。
謝罪・弁償が必要なケースとその基準とは?
基本的には「お互いさま」で済むことが多いですが、相手のお子さんの服が明らかに高価なブランドものだったり、クリーニングが必要な素材(ウール・シルクなど)の場合は、ひと声かけて相談するのがマナーです。
弁償を申し出る場合も、最初から「新しいものを買います」と言い切るより、「もしクリーニングなど必要でしたら教えてくださいね」と相手の判断に委ねる形がスマートです。
お互いに子育て中という共通の立場だからこそ、少しの思いやりと柔らかいコミュニケーションで、良好な関係を築くことができますよ。
プロに任せるべき?クリーニングの活用タイミング

洗濯を繰り返しても落ちない頑固な絵の具のシミに直面したとき、「もう自分では無理かも…」と感じたことはありませんか?そんなときこそ、クリーニングのプロに任せるタイミングかもしれません。ここでは、家庭での対処をあきらめる判断基準と、プロに頼む際のポイントをわかりやすくご紹介します。
家庭では落とせないシミの見極め方
何度も洗ったのに薄くもならない、色がにじんで広がってしまった、シミがゴワついて手触りが変わってきた……そんな症状が出てきたら、プロの出番です。特に、乾いて何日も経過した絵の具や、繊維の奥深くまで入り込んだ色素は家庭用洗剤では限界があることも。
また、色柄物で漂白剤が使えない衣類や、デリケートな素材(ウール・シルクなど)の場合は、無理せずクリーニング店に相談するのが安心です。無理にこすったり、薬剤を使いすぎたりすると、生地が傷んだり、元の風合いを損なってしまうこともあるので注意しましょう。
クリーニング店に持ち込むときの注意点
プロに依頼する際は、シミの原因や発生からの時間、使用された絵の具の種類など、できるだけ詳しい情報を伝えることが大切です。「絵の具のシミです」「○○の授業中について、数時間経ってしまいました」「綿100%のシャツです」など、情報が具体的であるほど、クリーニング店側も適切な処理がしやすくなります。
また、持ち込むときは衣類を洗濯しない状態のままの方がベターです。自宅で失敗してからでは、かえってシミが落ちにくくなっていることもあるので、「早め」「手を加えずに」が基本です。
費用相場や納期の目安は?
絵の具のシミ取りを依頼した場合、費用はおおよそ1,000〜2,000円前後が目安ですが、素材やシミの範囲、状態によっては追加料金がかかることもあります。シルクや高級衣料、手作りの衣類などは別料金になることもあるので、見積もりを確認してからお願いしましょう。
納期については、通常のクリーニングより少し時間がかかる傾向があります。特にシミ抜きは一度で落ちない場合もあるため、仕上がりまでに3〜7日程度見ておくと安心です。急ぎの場合は、受付時に相談してみましょう。
制服や高級衣料は早めの相談が吉
制服や式服、高価なブランド服などは、家庭で手を加える前にクリーニングに持ち込むのが正解です。とくに制服は毎日着るものなので、対応が遅れると替えが効かず困ってしまうことも。できれば翌日中、遅くとも2〜3日以内の相談が理想的です。
また、卒園式や入学式など大切な行事で使う衣類に絵の具がついた場合も、スピード感を持って対処した方が成功率が高まります。「早めの相談」「プロの知識を信頼する」ことで、大切な1枚を守ることができますよ。
どうしても落ちないときの「隠す・再利用」アイデア

頑張って洗っても、どうしても落ちないシミってありますよね。でも大丈夫。発想を変えて、「隠す」「活かす」「使い切る」という視点で考えると、シミのある服も新しい価値に生まれ変わります。
ワッペンや刺繍でおしゃれにリカバリー
シミの上にワッペンを貼ることで、まるで最初からのデザインのように仕上がります。最近は100円ショップや手芸店でもかわいいアイロンワッペンが豊富に揃っていて、キャラクターものからシンプルなロゴまで選択肢がたくさん。
少し手間はかかりますが、刺繍で模様を描くのもおすすめ。ハートや星、動物などのワンポイントを刺せば、世界にひとつだけのリメイク服になります。お子さんと一緒に選んだり作ったりすれば、思い出にもなりますね。
お気に入りを部屋着や工作用にリメイク
お気に入りの服ほど、手放すのは惜しいもの。そんなときは「おうち専用服」として、部屋着や寝間着にリメイクしてみましょう。汚れても気にならない環境なら、シミがあっても気楽に使えます。
また、シミの位置や大きさによっては、Tシャツをエコバッグに作り変えたり、布おもちゃの材料にしたりするのもひとつの方法です。裁縫が得意でなくても、カットして結ぶだけの簡単なリメイク方法もあるので、ぜひ試してみてください。
「汚れても大丈夫」で育む創造力と安心感
「また汚しちゃった……」とお子さんが落ち込んでしまう前に、「汚れても大丈夫!いっぱい遊べたね」と声をかけてあげられると、安心して創作に取り組めます。
失敗を責めず、「あとで何とかできるよ」「これはこれで素敵だね」と肯定してあげることで、子どもの表現力や自由な発想はさらに伸びていきます。失敗を恐れず挑戦できる環境は、何よりの成長の土台です。
どうしても落ちないシミがあっても、「隠す」「活かす」「使い切る」ことで、その服の役割をもう一度楽しむことができます。
Q&A|水彩絵の具のシミに関するよくある質問

乾いた後でも落とせる方法はある?
はい、あります。たとえ乾いてしまっても、まずぬるま湯でしっかり時間をかけて浸け置きしましょう(30分〜1時間程度が目安です)。その後、中性洗剤をつけてやさしくもみ洗いを繰り返すのが効果的です。一度で落ちなくても焦らず、何度かに分けてアプローチすることで少しずつ薄くなっていくことがあります。
水彩じゃなくアクリル絵の具の時はどうする?
アクリル絵の具は乾くと水に溶けなくなり、布に強く定着してしまいます。そのため、対処はスピード勝負です。ついてすぐであれば、水で濡らした布やティッシュで吸い取ったり、すぐに中性洗剤でもみ洗いすることである程度落とせます。ただし乾いてしまった場合は、市販のアクリル用リムーバーを使うか、無理にこすらず専門業者に相談するのも一つの方法です。
どの洗剤が一番おすすめ?市販・自然派の比較
万能なのは中性洗剤。たとえば「キュキュット」や「ジョイ」などの食器用洗剤でも代用できます。肌にやさしい洗剤が好みの場合は、赤ちゃん用の「arau.」や、天然成分ベースの「ミヨシ石鹸」などもおすすめです。香りが強すぎないタイプを選ぶと服に残りにくく、家族全員で安心して使えます。さらに、重曹やセスキ炭酸ソーダなどを補助的に併用することで、より高い洗浄力が得られることもあります。
まとめ|水彩絵の具のシミを落として、子どもの創作を全力で応援しよう
「また汚して〜」と思うかもしれませんが、それも成長の証。正しい知識と対処法さえ知っていれば、笑顔で対応できます。
服のシミは落とせても、子どもの創作意欲は一度失うと取り戻すのが大変。だからこそ「汚れても大丈夫!」という安心感を持って、のびのび描かせてあげましょう。

